3ヶ月で辞めた私が、12年同じ医院で働き続けている理由
みなさんは、今の歯科医院で勤務何年目ですか?
私は、高田歯科に勤務して現在12年7ヶ月。
これまでの中で最も長い勤務年数を更新しています。
でも、ここに至るまでが、ずっと順調だったわけではありません。
むしろ最初の頃は、うまくいかないことの連続でした。
あまり公にしていませんが、最初に勤務したクリニックは、わずか3ヶ月で退職しています。
その後は歯科医院で働くことが怖くなって、企業勤務の歯科衛生士に転向しました。
「続けること」がこんなにも難しいものだとは、その時は思ってもいませんでした。
そんな私が、ひとつの医院で10年以上働き続けている。
少し不思議な気もします。
今の職場では、本当にたくさんの経験をさせていただいています。
その中のひとつが、今回のクリニックリニューアルに伴う「チェアーとの別れ」です。
長年使わせていただいたチェアー。
毎日のように患者さんと向き合ってきた場所であり、
自分自身の未熟さとも、成長とも向き合ってきた場所でもあります。
だからこそ、ただの“機材”ではなく、どこか特別な存在でした。
大切に使ってきたからこそ、次に大切に使ってくださる場所へ“お嫁に行く”と聞いたとき、
少し寂しさもありながら、どこか嬉しい気持ちになりました。
このように、ひとつのクリニックで長く働くからこそ、見えてくるものがあります。
たとえば、臨床の中での小さな違和感に気づけるようになること。
患者さんの変化を、年単位で見守れること。
そして、長く働き続けている先を歩み続ける先輩方の姿の重み。
「学会でお会いする、あの先輩はなぜ一件の歯科医院で働き続けられるのだろう」
「どうしてあんな関わり方ができるんだろう」
そう思っていたことの答えが、少しずつ分かるようになってきました。
それは特別な技術だけではなく、
“続けてきた時間”そのものがつくる力なのだと感じています。
もちろん、いいことばかりではありません。
丁寧な臨床ができていないと、院長から厳しく指摘を受けることもあります。
その場では受け止めながらも、悔しくて、
ここには書けないくらい荒れた感情を抱いたことも何度もありました。
それでも、辞めなかった。
その理由は、とてもシンプルです。
憧れる先輩方のように、
長く患者さんと関わり続けられる歯科衛生士でありたい。
そう思ったからです。
目の前の患者さんと、数ヶ月ではなく、数年単位で関わること。
変化を一緒に喜び、時には後戻りしながらも、また前に進むこと。
そんな関わり方ができる歯科衛生士でいたいと、今も思っています。
そしてもう一つ。
定期訪問先で出会う後輩たちや、講演や学会で出会う後輩たちにも、
今のクリニックで長く働き続けてほしいと願っています。
だからこそ、言葉で伝えるだけではなく、
まずは自分自身が続ける姿を見せていきたい。
そう思いながら、日々臨床に立っています。
続けることは、決して簡単なことではありません。
でも、続けてきたからこそ見える景色がある。
続けてきたからこそ、気づけることがある。
そしてそれは、きっと一度や二度の経験では得られないものです。
今、もし悩んでいる方がいたら。
もし「続けるかどうか」で迷っている方がいたら。
すぐに答えを出さなくてもいいと思います。
ただ、少しだけ先の自分を想像してみてください。
続けることでしか見えない景色が、確かにある。
私は、そう感じています。
0コメント